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年一更新を目指すブロギュ。
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ひっそり前回の更新時だったかの時に、このブログ内に私のTINAMIプロフィールへのリンクを取り付けておいたものだが、この十月になって私がこれまでに書いた短編小説群を順次そちらで公開した。小説とあらば読まれてなんぼなので、ほぼいないであろう来訪者向けに各作品のリンクもついでに貼っておく。

・作品名:三時
https://www.tinami.com/view/1130933
・作品名:紫陽花の花が咲いている
https://www.tinami.com/view/1131012
・作品名:雲の隠れるように
https://www.tinami.com/view/1131054
・作品名:八月十四日
https://www.tinami.com/view/1131159
・作品名:羽
https://www.tinami.com/view/1131220
・作品名:影送り
https://www.tinami.com/view/1131319
・作品名:わずらい
https://www.tinami.com/view/1131366
・作品名:花ざかり
https://www.tinami.com/view/1131432
・作品名:錆びぬもの
https://www.tinami.com/view/1131483
・作品名:掌編集
https://www.tinami.com/view/1131537
・作品名:天馬
https://www.tinami.com/view/1131582

 作品自体について語りたいが作品は内容だけで完結しているべきと云う考え方に私も賛同している人間なので本文及び説明文にはそう云う内容の一切を省いた。説明文は何かしらの入力を求められたので渋々本文に関わりない情報だけ記したが。しかしここなら盤外と云うものだし、少し触れよう。
 最初に、この中でこれまで一切人に見せたことのないものは三時、および天馬の二作品のみである。それ以外の作品は私の思い入れのあるとあるサークルに提出したものばかりだが、インターネット上に公開されたことのない作品のみを選んでいる。尤も、影送り以降の作品はそもそも誰かに読んでもらえたかどうか自体が私にも確証のないところだ。掌編集に収録した最初の三作品だけは明示的に、対面した相手に見せた試しはあるが。

 完成した時系列順に、「紫陽花の花が咲いている」は私の最も古い時期の作品であり、まだ自分が文体と云う言葉を知りもしなかった時期に書かれた作品である。この作品を書いて私は手ごたえを得たと云うよりも味を占めた、と語る方が適切で、以後私はデジタル環境で小説と題する創作に傾斜し始める様になったことを覚えている。
 「雲の隠れるように」は元々直前に夢を見た時の記憶とイメージに基づいて書かれた作品であり、私が大いに影響を受けた作家の文体を模倣しようと試行錯誤していた時期のもの。この様な直前に見た夢に基づいて書かれた作品には他に三時と天馬が該当する。
 「八月十四日」「羽」および「錆びぬもの」は前述のサークルに提出する為に書かれた作品で、それぞれテーマに基づき書かれている。テーマはそれぞれ"祭"、"霜"、"SF"。実は「雲の隠れるように」もその一つなのだがこちらは本来のテーマから逸脱したものを据えて書かれてしまったと云う側面を持つ。
 「影送り」「わずらい」「花ざかり」および「掌編集」の収録作、これらは特別な動機を持たずに、書こうとして書かれた作品群である。多くの場合私は制作に際し何かしらの音楽を聴きながら書いており、その時聴いていた音楽の印象に影響を受けた面は恐らくあるだろう。なお、掌編集には本来もう一つ、一篇の詩が存在しているのだが、今も昔も散文詩の創作を苦手とする私にはこの詩は掲載するに値しないと考えさせられた為収録していない。

 これらの他にも完成された中短編の小説は手元に残っているものの、逐一の解説抜きでそれを読んでよいと思わせる作品ではないもの、別の場所で(別の名で)今もひっそりと公開され続けているもの、或いは単純に悪い意味でナンセンスを極めておりこれを堂々と自作ですと公開することは憚られる作品が残ってしまっているためこれらはこちらでの公開予定はない。……個人的に、ナンセンスをふんだんに鏤めた小説・創作自体は自ら好んで作ろうとする方だと思ってはいるが。盤上銀河なぞ5話とか7話辺り相当量そう云うものだし。

 一通りの過去作を見返して思うのは、決して多くの作品をこの十年以上の歳月の中で書き残してこなかったところと、これらの短編には殆ど骨格と呼びうる構造を感じさせないところだ。盤上銀河の13話はAが大分ざっくりとした、1話を書いた頃と根が大差ない書法で書かれたのに対しCが明確に構造性と帰結を念頭に置いた制作をしていたのを思い返すと、私にとって物語の構築と云うのは意識的にやらなければ出来ないらしいことだ。寡作なのは自らの怠慢に鞭を入れる他ない。しかし、それでも確かに私は「紫陽花の花が咲いている」を書き始めた頃、またそれ以前の、大学ノートの端っこに思い思いの想像力(まだその貧困極まりなかった世界観の中で!)に任せて物語を綴る努力を始めた頃から連綿と、一貫して自分の作品と作風を育て続けてきたと云うことは確かに言えることだ。報われなかったかもしれないが、確かに残されているものはある、と。
 手元には幾つもの、主に昔の私が考えた物語の原案或いはそう呼ぶにも値しない程度に浅薄な内容の書き付けや、途中まで書かれたが完成されていない長編が幾つかある。この上うっかり作り始めてしまった盤上銀河。まぁ、手を付け続けられる限りは何とか面倒を見ようと思っている。創作をしている間は確かに、生きていると感じられるのだから。

 最後に、これら公開作品の内作者としておすすめを敢えて挙げるならとして、「わずらい」「錆びぬもの」「三時」の三つを挙げておく。「わずらい」はこの中では一等平易な内容なのでとっつきやすいだろうと考えている。「三時」は逆に一番作者の臭みの強い品であるが、それ故に偏愛がある。「錆びぬもの」はSFにしたってデカダンと云うかやりすぎな部分はあるが、それでもだ。「三時」がいけるなら「掌編集」の「合間」もいいと思うが。いやまぁ、これ以上はよそう。
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